教会助言者から

これからのCLCとイエズス会総長からの手紙

 

小暮康久(CLC教会助言者)

2019年2月10日、鎌倉黙想の家での日本CLC総会において、新しい代表世話人として佐無田靖さんが選出されました。まずはこの2年間、代表世話人として日本CLCのために多大な献身をされ、またCLC未体験の何も分からない新EAの私をここまで支えて下さった鈴木隆さんに心からの感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

今回の代表世話人選出では、私はプロセスパーソンとして、2日目の午後一から沈黙での夕食をはさんでの4回に及んだ投票の全プロセスに同伴いたしました。全体を振り返る中で、今回の代表世話人選出のプロセス全体の中で確かに聖霊が働かれていたこと、そしてその聖霊の働きを日本CLCとして共同識別する体験ができたことを、大きな恵みとして感じています。

今回は連休を含めて総会に3日間の時間を取ることができました。そのために、2日目午後の投票の前の午前中を使って、共同識別のための準備をすることができたことがとてもよかったと感じています。準備とは、「代表世話人の選出というプロセスが、日本CLCとしての共同の霊的な識別であることの確認」です。日本CLCとしての共同の霊的な識別とは、言い換えれば、神が、わたしたち日本CLCに何を望み、どこに導こうとされているのかを聴くということです。そしてそのために神が誰を代表世話人としての奉仕に招いておられるのかを聴くということです。代表世話人の選出は、投票者がそれぞれのわたしの好み、よいと思う人を選び、それを多数決で決めるということではないということです。“神が、わたしたち(日本CLC)を、どこに導こうとされているのかを聴く”この観点だけが、共同の霊的な識別を可能にするからです。この観点を大切にしながら積みかさねられた祈りと分かち合いのプロセス全体を通して、参加者一人一人が、“わたしの好み、よい”に傾き、動かさそうになっている自分の姿に気づき、 “神が、わたしたち(日本CLC)をどこに導こうとされているのか”にもう一度より深く耳を澄ませ、それを受け取って(聴き取って)いくのを感じました。つまり共同の霊的な識別を体験していくプロセスをはっきりと感じたのです。それは、実際にこのプロセスに参加された一人一人が感じておられることと思います。

この日本CLC総会と時を同じくする頃、2019年2月19日付けで、イエズス会のアルトゥーロ・ソーサ総長から一つの手紙が出されました。「普遍的使徒的優先課題」 (Universal Apostolic Preferences)という名前のその手紙には、これからのイエズス会の最も大切な優先課題として、次の4つのことが明言されていました。『①識別と霊操を促進する ②排除された人々と共に歩む ③ともに暮らす家である地球とすべての被造物のために働く ④若者と共に歩む。』 総長はこれからのイエズス会の優先課題の最初に、①“霊操と識別を通して、神様との親しさへの道をもっとこの世界の人々に示していくこと”の大切さをあげたのです。しかし、この4つの優先課題は別々のものということではなくて、むしろ聖霊の導きの下で、わたしたちが真に霊的な識別をしていく中で実現されていくものでもあります。

2020年4月18日